帽子を販売している時、
よくお客様から「編むところから作るんですか?」と聞かれます。
そこで、今日は材料のお話を少し。
夏の帽子の素材は、こんな形になって売られています。
私達は、この材料を問屋さんから購入して帽子を作ります。
これらのことを「帽体(ぼうたい)」といいますが、
夏物の帽体は、おもに植物の繊維などを編んだものが多く、
クラウン(頭の部分)にブリム(つばの部分)が
なんとなく形作られた状態になっているんです。
天然素材なので、帽体ごとに網目の細かさや、繊維の色合いも少しずつ違うため、お作りする帽子もひとつひとつ雰囲気が若干違ってしまうのはそのためです。
そこがまたいいところでもあるので、ぜひ次回帽子を手に取るときには、ひとつひとつの表情も見比べてみてください。
素材もいろいろ。
素材によって、固めにかちっと仕上がるもの、柔らかい被り心地のやわらかい印象のもの、繊維の太さによっても表情が変わります。
これらの素材はアジアの国々で編まれていることが多いようですが、
最近では、編み手が少なくなってしまったために、入荷状況も不安定だったり、
上質なものが手に入りにくくなったりしているようです。
こうしたものを編むお仕事よりも、工場で働く仕事につく人が増えてしまったからだと聞いています。アジアの国々の経済事情が、帽子の世界にも及んでいるということのようです。
私達もたびたび仕入れに行きますが、
「次はもう入ってくるかどうかわかりません」などと言われてしまうこともあるほどです。
なかには、もう二度と作れない帽子も出てきてしまうのかもしれません。
なんとか、こうした技術を残して帽子文化が絶えることのないようになればいいのですが。
帽体を作ってくれる職人さん達がいて、初めて私達も帽子を作ることができます。
これらの材料を木型に入れて形を作り出すところからが私達の仕事。
その木型作りもまた職人さんが少なくなってしまい、入手困難な状況になってきています。
私達ダブルリボンズにとっても木型の入手は悩ましい課題のひとつ。
そんな木型のお話はまた後日あらためてお話させてください。(k)
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